第1選
枕草子 (岩波文庫 黄 16-1)
⭐⭐⭐⭐⭐
総合評価:A (72)
ここが良い!
- 1000年以上前の日常や美意識を、驚くほど身近に感じられる
- 清少納言の鋭い観察眼と、はっきりとした好き嫌いが小気味よい
- 短編形式なので、どこから読んでも平安の風情を楽しめる
ここが注意!
- 原文と注釈の往復が必要なため、スラスラ読むには慣れがいる
第2選
新訂 徒然草 (岩波文庫 黄 112-1)
⭐⭐⭐⭐⭐
総合評価:A (79)
ここが良い!
- 世俗の無常から人間関係の機微まで、現代にも通じる普遍的な知恵が詰まっている
- 吉田兼好の冷徹かつ温かい視点が、多角的な物事の見方を教えてくれる
- 人生訓としての完成度が高く、座右の書にふさわしい
ここが注意!
- 説教臭く感じる箇所もあるが、それも含めて時代背景を楽しめるかによる
第3選
硝子戸の中 (岩波文庫 緑 11-2)
⭐⭐⭐⭐⭐
総合評価:A (76)
ここが良い!
- 晩年の夏目漱石の静謐で穏やかな日常と思索に触れられる
- 小説とは異なる、漱石自身の素直な心情や過去の記憶が淡々と綴られている
- 文章が非常に美しく、日本語の響きを楽しみながら読める
ここが注意!
- 劇的な展開はないため、刺激を求める読者には不向き
第4選
もものかんづめ (集英社文庫)
⭐⭐⭐⭐⭐
総合評価:A (76)
ここが良い!
- とにかく笑える。日常の些細な出来事を爆笑ネタに変える筆力が凄まじい
- さくらももこ特有の、毒気と愛嬌が入り混じった語り口が癖になる
- 読書が苦手な人でも一気に読めるほど、抜群の読みやすさ
ここが注意!
- 真面目な教養や哲学を求める場合には適さない
第5選
新装版 考えるヒント (文春文庫)
⭐⭐⭐⭐⭐
総合評価:A (78)
ここが良い!
- 小林秀雄の深く鋭い知性に触れ、思考の「深掘り」の仕方を学べる
- 常識を疑い、物事の本質を捉えようとする姿勢に圧倒される
- 一文一文の密度が濃く、読了後の達成感が非常に大きい
ここが注意!
- 非常に難解。腰を据えてじっくり読まないと文意を捉え損ねる
⭐⭐⭐⭐⭐
総合評価:A (78)
ここが良い!
- 「孤独=寂しい」というネガティブな概念を払拭し、自分を豊かにする力に変えられる
- 五木寛之の穏やかな語り口が、疲れた心に優しく寄り添ってくれる
- 年齢を重ねることを肯定的に捉えられるようになり、心が軽くなる
ここが注意!
- 若年層よりも、人生の中盤以降を迎えた世代に響く内容が多い
第7選
富士日記(上) 新版 (中公文庫)
⭐⭐⭐⭐⭐
総合評価:A (79)
ここが良い!
- 武田百合子の圧倒的な描写力で、富士山麓の生活が目の前に浮かび上がる
- 献立、天気、買い物といった「生」の記録が、驚くほどエネルギッシュ
- 作家の妻としての視点を超えた、一個の人間としての瑞々しい感性に痺れる
ここが注意!
- 日記形式なので、特に大きな起承転結はない
メモ
失敗しない選び方
- エッセイ
- 日記文学を選ぶ際は、まず「自分が今求めている心の状態」を基準にするのがベストです。とにかく笑ってリフレッシュしたいなら「もものかんづめ」一択ですが、人生を立ち止まって深く考えたいなら「徒然草」や「考えるヒント」のような古典
- 思索系が向いています。また、文章そのものの美しさや世界観に浸りたいなら「富士日記」や「硝子戸の中」が最適です。古典に関しては、最初から全て理解しようとせず、注釈を頼りに「当時の人の感性を覗き見する」感覚で手に取ると失敗がありません。
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